正義病 IV ── 二君に仕える
かつて資材審査の机で赤ペンを握っていた人物が、組織を昇りつめ、いま製薬企業の社長の椅子に座っている。その高い席からは、営業・マーケティング・メディカル、そしてかつて自分が率いた資材審査・ガバナンスまで、各部門がそれぞれの正義を生きる景色が一望できる。経営という主君は数字を求め、コンプライアンスという主君は規範を求める。二人の主君に同時に仕える社長が、かつての自分の椅子に座る後任を見つめながら、両立をどう実践として設計するかを描く。全 10 回。
01
社長の椅子
月曜の朝、社長室の机に一枚の販促資材が置かれている。
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02
俯瞰すると、部門が見える
「昇進とは椅子が高くなることだ」と、若いころの私は思っていた。
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03
かつての自分の椅子に座る人
四半期の経営会議が終わり、私はガラス張りの小会議室の前で足を止めた。
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04
二人の主君
社長室の窓は高い。
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05
審査員の正義は、半分だった
審査台に向かっていた頃、私は一枚の販促資材を「通すか、戻すか」だけで見ていた。
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06
経営の論理に飲まれると、審査は壊れる
「審査をやめろ」と命じた社長を、私は一人も知らない。
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07
部門長に「ノー」と言わせ続ける設計
私はかつてあの椅子に座っていた。
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08
数字で測れないものを、経営会議へ
経営会議の議題表は、いつも数字で始まる。
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09
両立を保つ仕組み
両立は決意では続かない。
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10
二君に仕える者の日々是好日
六時半。
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