Q&A 第3集 通読版(全1問)
このページはQ&A第3集(その3)の全1問を1ページで通読できる形にまとめたものです。各問の個票ページへのリンクは各問末尾に掲載しています。
Q1 簡易懸濁・粉砕時の安定性情報をインタビューフォームに記載して情報提供できるか
第1 2 適用範囲等/第4 3 未承認薬・適応外薬等に関する情報提供
Q(質問)
患者の状態に応じ、医療現場の判断で簡易懸濁、粉砕等を行う際に参考となる医薬品の安定性等の情報について、インタビューフォームへ記載の上、情報提供することは可能か。
A(厚生労働省の回答)
販売情報提供活動ガイドラインでは、医療関係者から製造販売業者に対し、未承認薬・適応外薬等に関する情報提供について求めがあった場合に行うことは差し支えないこととしている。
インタビューフォームは、添付文書の内容を補完し、調剤等に際して必要な情報を提供することを目的として、医薬品の適正使用のために必要となる情報提供資材として、医療関係団体の要請をもとに作成されたものである。
嚥下困難者及び小児に対する投薬治療に際し、これまで医療現場の判断で簡易懸濁、粉砕等が行われてきた実態があることに鑑み、製造販売業者が、簡易懸濁、粉砕等を行った際の医薬品の安定性等に関する情報を、インタビューフォームに記載の上、情報提供することについては、ガイドライン上の医療関係者からの求めがあった場合として整理することで差し支えない。
ただし、その記載にあたっては、承認上認められていない用法等であることを考慮して、試験法の明示など記載事項・内容については、一定の共通ルールに従って行われることが求められる。また、インタビューフォームに記載した簡易懸濁、粉砕等に関する情報を抜粋してホームページに掲載する場合は、インタビューフォームに記載した内容を過不足なく記載すること。
So what(意味すること): 嚥下困難者・小児対応で簡易懸濁や粉砕の安定性データをIFに掲載することは認められるが、試験法の明示など共通ルールへの準拠と、Web転載時の内容の過不足なき再現が必須となる。
So why(なぜそう定めるか): 簡易懸濁・粉砕は承認外の用法であるため「医療関係者からの求め」として整理することで適法化しつつ、情報の正確性と一貫性を担保するルールを課している。
解説 ── 背景・適用場面・実務上の注意
簡易懸濁・粉砕は添付文書に記載された用法外の操作であり、本来は適応外情報として「医療関係者からの求めに応じた場合のみ提供できる」という販提Gの枠組みに収まる。ところがインタビューフォーム(IF)は、医療関係団体の要請を受けて製造販売業者が調剤支援のために作成する公式情報資材であり、「掲載すること自体が医療現場の要請に応えた行為」と整理できる。この論理によって、IFに安定性データを記載して提供する行為全体が「求めに応じた提供」と同視され、ガイドライン違反とならない。
典型的な適用場面は、経管投与患者や小児科病棟で薬剤師がIF上の簡易懸濁試験データを参照し、粉砕後の主薬含量や溶解挙動を確認して処方医に情報提供するケースである。自社品のIFに「一定濃度のとろみ水に懸濁した際の30分後残存率」のような具体的試験結果を掲載しておくことで、医療現場は即座に判断できる。製造販売業者が事前にデータを整備しIF掲載しておくことと、個別の問い合わせに都度回答することは、情報の安定供給という観点から同等以上の価値を持つ。
実務でよく誤るのは、IFの記載内容を自社Webサイトに「抜粋」転載する場合である。Q&Aは「過不足なく記載すること」を求めており、都合の良い数値のみを切り出して掲載することは許されない。また、試験法(例:懸濁媒体の種類、温度、経過時間)を明示しない記載は共通ルール違反となる。IF全体の記載と転載内容に齟齬が生じると、医療関係者が異なる条件のデータを同一条件として解釈するリスクがあり、これが規制の核心にある。
出典: 厚労省 販提G Q&A(その3) 事務連絡 令和元年9月6日 Q1